こんにちは。グヮタです。
白泉社文庫の編集を担当していると、何年も前に読んだ作品を企画や校正のために再読することになります。その作品に出会ったのが雑誌連載だったり単行本だったりの違いはありますが、あくまで作業として読みながらも、いろいろな思い出が刺激されて感慨深いものです。読者の皆さんも、それぞれの作品に結びついた思い出がきっと蘇ることでしょう。
今週発売されたばかりの3月刊、日渡早紀先生の「宇宙なボクら!」1・2巻や、由貴香織里先生の「伯爵カイン」5・6巻などはこれで完結となります。こういう連載作品の最終回では、日渡先生のハートウォーミングで前向きなメッセージや、由貴先生の深い哀しみと静寂に満ちた余韻など、いろいろ感じることが多いですね。
最終回や最終巻の雰囲気って、長い物語を紡いできた作者と、連載やコミックス刊行を支えた読者が、共同で作り上げたものだと思います。時間をおいて文庫化された作品をまとめ読みしたときに、作品のパワーを楽しみながらも、そういうお祭りに乗り遅れた感が、ちょっとだけしたりしませんか? 私の場合、そういうお祭りがあったこと自体を感じて楽しむというか、歴史の一部を見るような気持ちになることも多いです。
今回、日渡先生はあとがきを書いて下さり、由貴先生は描き下ろしショートを描いて下さいました。これまでの読者の皆さん、そして今回文庫を手にとって下さった皆さんへ向けてのメッセージです。まだお読みになっていなければ、ぜひ読んでみていただきたいと思います。