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白泉社

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2015年03月12日 アーカイブ


『三原順作品集 LAST PIECE』明日発売です

さて今日は、いよいよ明日発売となる『三原順作品集 LAST PIECE』について、いくつかご説明をいたします。

lastpiece_h1_obi_blog.jpg

http://www.hakusensha.co.jp/hbstation/mihara/
特設ページにもあるように、本書には11本のまんが作品を収録しています。そのうちの9本は『三原順秘蔵作品集「LOST AND FOUND」』(主婦と生活社/2002年12月刊)に、3本は『はみだしっ子全(オール)コレクション』(白泉社/1982年5月刊)に収録されていたものです。デビュー作「ぼくらのお見合い」のみ、両方に収録されています。

■『三原順秘蔵作品集「LOST AND FOUND」』
どちらの本も、まんが作品以外にもたくさんの内容が詰まっており、特に『LOST AND FOUND』は「遺族が保管している遺品の中から、過去に単行本に掲載されなかった物を全て掲載しようという意図で」編集された656Pもある上製本で、担当された方の熱意がなければ実現できなかったであろう大変な労作です。三原先生が高校生の頃に書かれた「はみだしっ子」の原型小説や未完成原稿(ネーム)など、この本でしか読めない内容も多く、ファンにとってはまさに垂涎の一冊です。

5年前、白泉社文庫の三原順作品のカバーをリニューアルした頃から、『LOST AND FOUND』の中の完成されたまんが作品だけでも白泉社文庫に収録して、より多くの読者に手に取って読んでもらい易くできないだろうかというご要望を、ファンの方々からいただくようになりました。皆さん、ご自身は『LOST AND FOUND』を購入されていながら、周囲の人に、新しい読者に三原先生の作品を読んでもらいたいがために、そういうご提案を下さったのでした。

そうした声に押され、発行元の主婦と生活社さまにご協力をお願いしたところ、三原先生の没後20年目となる今年、こうして文庫化を実現することができました。まんが9作品を合計すると148Pになります。それ以外にまだ500P以上のボリュームがある『LOST AND FOUND』がいかに内容の濃い本であるか、おわかりいただけると思います。

■『はみだしっ子全コレクション』
『全コレクション』は、「はみだしっ子」の連載終了後に、三原先生のご協力を最大限に仰いで製作された、今で言う「ファンブック」のような単行本です。カラー口絵や先生へのインタビュー、仲の良いお友達であるくらもちふさこ先生との対談、シリーズ作品の扉絵コレクションと内容紹介、はみだしっ子詩集や劇用シナリオ(学校で上演したいファン向けに、金春智子さんに書いていただいたものです)などの多彩な記事の他、描き下ろし番外編「オクトパス・ガーデン」(白泉社文庫『はみだしっ子』第6巻に収録)、デビュー作「ぼくらのお見合い」、初期作品「このひとときを…」「ひとりぽっちの君に -ジェフの日記-」の4本のまんが作品が収録されています。

このうちの「このひとときを…」「ひとりぽっちの君に -ジェフの日記-」を『LAST PIECE』に収録しました。これで三原先生の完成されたまんが作品で、雑誌などで公表されたものはすべて白泉社文庫に収録することができたはずです。

■復刊ドットコムにて入手可能
『三原順秘蔵作品集「LOST AND FOUND」』と『はみだしっ子全コレクション』は、現在復刊ドットコムさまの取り扱いとなっています。最近新たな予約受け付けが始まりましたので、この機会にぜひ入手していただければと思います。


しかし、この2冊を買ってしまうと、もう『LAST PIECE』を買う必要はないのでしょうか? それは大変困ります!!

■「はみだしっ子拾遺 pieces」
そこで(というわけでもないのですが…)、これらの2冊にはない要素として、『LAST PIECE』巻末には「はみだしっ子拾遺 pieces」と題した資料編を収録しています。これはかつて別冊花とゆめで行われた4回の「はみだしっ子」特集の際、作品の発表順とは違う並び方で収録されるエピソードの「つなぎ」のために、三原先生が描き下ろされたページ(全部で35P)を、雑誌から復元して収録したものです。

雑誌のバックナンバー以外では読むことのできないページとして、これもファンの方々から単行本化の要望が寄せられていた企画です。いずれも断片的なページのため、「作品」として読むことはできませんが、白泉社文庫『はみだしっ子』1・2巻を手元に置きながら読めるように工夫してあります。

復元にあたっては、ファンの方から掲載誌をご寄贈いただき、これを1ページずつ切り離して作業を行いました。大切に保管されていた思い出の雑誌を「文庫に収録するためならば」とご提供下さったことに、あらためて感謝申し上げます。

■「はみだしっ子」雑誌掲載版
また、「はみだしっ子」の第1話と第2話にあたる「われらはみだしっ子」と「動物園のオリの中」の、雑誌発表時の最終ページも収録しました。

この2本はもともと読み切り作品として発表され、「われらはみだしっ子」では成長した4人の姿なども描かれていましたが、シリーズ化されて現在進行形のお話として描き続けることになったため、コミックス刊行の際に最後の1ページを改稿されたものです。

コミックス刊行の際に雑誌掲載時の原稿を手直し(改稿・加稿)することは珍しいことではなく、その後の「はみだしっ子」でも何度か行われています。手直しの理由は様々ですが、締め切りが迫る中で描いた雑誌バージョンに対して、コミックス刊行時により納得のいく内容にしたいという先生方の思いが込められているケースが多いようです。

ファンの方からは、雑誌掲載時バージョンをすべて単行本化して欲しいというリクエストをいただくこともあるのですが、コミックス刊行時にこれを完成品とされた先生のお気持ちを思うと、先生が亡くなられた今、なかなか難しいことと思います。

しかしながら、この2枚のページに関しては、シリーズ化に際して読み切り形式を改めたという経緯から考え、単行本に掲載しても先生のご意思には背かないと判断しました。


もしかしたら天国にいらっしゃる先生から「勝手なことをして!」とお叱りを受けるかもしれません。それがとても怖い反面、先生のことが大好きなファンの方々の声に押されながら、たくさんの方のご協力をいただきながら、ようやくこの文庫を世に出すことができる今、そのことを先生が喜んで下さることを心から願っています。


『ジェニー 炎の月』第1巻、明日発売です!

白泉社文庫『ジェニー』第1-5巻をお買い上げいただいた皆さま、長らくお待たせいたしました。いよいよ「ジェニー・シリーズ」最終章である「炎の月」の文庫化がスタートします。タイトルは『ジェニー 炎の月』となりました。

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花とゆめコミックス『炎の月』全7巻+『スカーレット』の合計8冊を、全4巻の白泉社文庫として刊行いたします。各巻には描きおろしショート「SPECIAL」を収録。

第2巻は5月、第3巻は7月、最終第4巻は9月発売予定です。

河惣先生には、メロディでスタートした新連載「蜻蛉(せいれい)」や別冊花とゆめの「ツーリングEXP. Euro」の執筆の合間を縫って、久しぶりにジェニーと仲間たちの様子を描いていただきました。第2巻以降の描きおろしがどんな内容になるかはこれからのお楽しみです♪

前作「エデン」(白泉社文庫『ジェニー』第5巻所収)では、中東ブラーク王国のイスラフィール王太子の命を救ったジェニーが、父のナシオが米軍基地建設の責任者としてブラークに赴任することを知らさせれたところまでが描かれていました。

ジェニーは、スイスで療養中の母・グレイスと会い、その恋人(母の従兄)・ウォルターから己の出生の秘密を知らされます。そして物語の舞台はブラークへ。テロリストに誘拐された父を救い、父と母の真実の想いを知ろうとするジェニーですが…!?

さて、文庫オビには「女公爵にして傭兵隊長」と書いてありますが、実はジェニーが同時に女公爵と傭兵隊長だったことはありません(誇大広告!?)。長年のファンの皆さんならご存知のことではありますが、これまでの物語の流れをちょっと忘れてしまわれた方のために、一部書店様の店頭には、ご覧のような「ジェニー」のガイドブックをご用意してあります。
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これまでのジェニー・シリーズのあらすじや登場人物を紹介していますので、よかったら手に取ってみて下さい。(これは店頭閲覧用で配布はしておりません。ご了承下さい)

白泉社文庫『ジェニー』全5巻も大好評発売中です。
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未読の方はこの機会にぜひお読みいただければと思います。
よろしくお願いいたします。