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●冷静さと繊細さの絶妙なバランス
全1巻 好評発売中!
大島弓子 定価570円(税込)
作者と愛猫サバとの生活を淡々と描いた短編集。ちっちゃくデフォルメされた作者本人よりも、大きな姿で描かれるサバ。暮らしの中で、そして一人の作家の作品ができてゆく中で、その存在はまさしく大きい。とてもナイーブに「世界」に心揺らす一方で、作者はごく冷静に、状況や自分自身の心情さえ淡々と分析しているのです。
●あったか切ない片想い
清水玲子 定価560円(税込)
長年のファンには楽しみの多い一冊なのだけれど、やはりそれ以上にこの表題作が、何度読んでも、くすりと笑いながら胸がきゅっとしてしまう。プレイボーイのカイが余命半年のお嬢様に見初められ、同情と遺産目当てで結婚。でもそのお嬢様であるおばあちゃんが可愛らしくて…。キュートで切ない片想いに涙がポロリです。
●坊やが大人の男になる方法
河惣益巳 定価710円(税込)
シスコンで軍人嫌いの美少年ウィリアムが、姉の結婚宣言にショックを受け、やけ酒をあおって目が覚めたのは見知らぬイイ男のベッド。けれど、この作品の魅力はそのイイ男と美少年のあれこれだけではない。ゴージャスな訳有りの美女も絡んで、少年がいっぱしの大人の男に成長してゆく姿の清々しさが、実に実に爽快なのです。
●手の中にそっと包み込みたくなるお話
坂田靖子 定価530円(税込)
画廊のマクグランに訪れる人たちが抱えるそれぞれの事情や、美術品にまつわるいろいろな思い。それらを、ふわっと包み込むように描く筆は作者ならでは。中でもどうしてもその絵が欲しい事情を抱えたご婦人の「鬼水仙」と、南国の仮面を巡る物語「南の島へ」は、画廊の人々のあったかさがより伝わってくるので大好きだ。
●エッセイコミックのはずなのに
川原 泉 定価530円(税込)
作者の身辺雑記を描くエッセイコミックの短編が収められた一冊であるはずなのに、やはりその中でもストーリーははじまってしまうのがすごい。担当編集さんや、アシスタントさんだけでなく、周囲にあるコピー機やチーズ、素粒子論まで、あらゆるモノゴトが、川原泉を通るとどうなるのか。興味が湧くに決まってる!
●心は降り積もる
わかつきめぐみ 定価610円(税込)
表題作の、黄昏時に交わされる物語や、人間の学校に通うもののけくんとお友達のたずみくんの、思わずにっこりしてしまう友情もとても素敵。けれど私には、きっとファンも多いそれらの作品の他に、どうしても紹介したい一作があります。「ONE WAY」という、ごく短い老夫婦の話だ。発表当時子供だった頃も今も、宝物。
●素直になる魔法
遠藤淑子 定価680円(税込)
表題作のフランス料理のシェフでアメリカ人のパパは、意地っ張りの娘・十子にメロメロ。親子の不器用な蜜月の絆は、素直な気持ちを伝え合うことで深まってゆく。思春期の少女達を描く「エイミー」。彼女たちのままならない苛立ちにも、「魔法のユキちゃん」の、傷心の野球部員達にも、素直になるとかかる魔法がある。
●ルーツを案内してもらう贅沢
成田美名子 定価650円(税込)
人気長期連載の人気キャラが登場する楽しさに加えて、巻末にその作品の舞台のルーツを、その人気キャラに案内してもらうという、もんのすごい嬉しい読者サービスが収録されているんです、この本。ジェイクとレヴァインに案内してもらうNY! しかも、作者のルーツを感じさせる作品集でもある。ちなみにセレムも登場!
●恋とパリの甘いきらめき
萩尾望都 定価630円(税込)
15歳のパリジェンヌ・ドミニクは、素敵な足をした少女服のトップモデルの女の子。まだまだ子供っぽいドミだけど、個性的でとってもお節介で素敵な年上の友達に囲まれて、恋を知る。まるでパリに連れてってもらって、一緒に切ない恋をするような、きらきらとしたままならない日々が詰まった懐かしい「少女漫画」なのです。